2013/09/04

胸膜癒着療法(疼痛管理)・・・

胸膜癒着療法のさらに補足です.実際に治療を受けられる方がおられましたら、ご参考にしてください。

肺切除術後のリークに対して、胸膜癒着療法は、リークの期間を短縮する効果があると考えられています.

しかし、いきなり「熱が出ますよ」とか、「かなりいたいですよ」と言われると、言われた患者の方は不安が強くなる事も事実であります.

リークが長引きそうな時は、前日位から、少しずつ説明しています.
「なかなかリークが止まりませんが、必ず止まりますから心配入りません。」
「リークが少しでも早く止まるように、お薬を注入する事を考えています.」
「お薬で炎症を起こすので、痛みや発熱があります。」
など、朝から夕方にかけて、話をして行いくようにしています.
最終的には、夕食の頃、「明日の朝に止まっていなければ、お薬を入れようと思います」と話をしています.

(1)痛みについて
胸膜癒着療法では、刺激になるような物質を、胸腔内に注入して炎症を起こさせて、治癒を促進して行く物という考え方です。炎症がおこる訳ですから、発熱と疼痛(痛み)はある程度、想定して治療に望みます.

(2)注入薬(ミノマイシンまたはピシバニール+1%キシロカイン10mL+生食50mL)
ミノマイシン、ピシバニールのどちらを使うにしても、同時に局所麻酔薬のキシロカインを混ぜています.

(3)痛みに関して
ミノマイシンを使用した場合、薬剤を注入した後、胸腔に広がるに連れて痛みが出る事が多いです.すなわち、注入直後の数分以内にでます。この痛みは、注入液に混ぜておいた局所麻酔薬が効いてくるまでの数分つづきますが、辛抱できないほどの痛みではない事が多いです.
ピシバニールでは、ほとんど痛みは無いようです.

(4)発熱に関して
癒着療法の効果として、発熱がある方が炎症が強く起きたと考えられます.
ミノマイシンで38度くらいまで、ピシバニールで39度くらいまでの発熱がある印象です.

ピシバニールの方が発熱が強いが痛みは少ないという印象があります(個人的感想)。

以前の書き込み、
胸膜癒着療法・・・
胸膜癒着療法(補足)・・・
もご参照ください.

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