胸壁(壁側胸膜)と肺(臓側胸膜)の間に、空気・水などが貯まり、胸腔内にチューブを入れてドレナージを行って治療をしていても、空気漏れが止まらない、胸水の排液が多いなどの理由でチューブを抜く事ができない(抜いてもすぐに入れる必要がある)病態です.
胸壁と肺が癒着すれば(ひっつけば)、空気・水が貯留するスペースが無くなるので、チューブを抜くことができます。
胸腔内に注入する薬剤としては、ミノマイシン・ピシバニールなどが有名ですが、欧米では、タルクが標準的に使用されているようです.
タルクは白色〜灰白色の微細な結晶性の粉末で、水に混ぜても溶けません(混濁するだけで放置すると分離します)。
ミノマイシンやピシバニールよりも副作用(発熱・疼痛)が少ないようです.
昨年の12月に保険収載され、日本でも使用できるようになりました.
強力な癒着作用なのか、適応は癌性胸膜炎のみになっています。