2014/08/15

胸水の培養・・・

膿胸といって、胸の中で肺の外側のスペースに細菌感染を起こす病気があります。

太古の昔から、膿瘍の治療は、「切開排膿」が基本です。お尻のおでき(いわゆるアテローム、感染性粉瘤)などは、局所麻酔を行い、切開して内容物を外へ出す処置を行います。

胸の中の感染の場合は、胸腔穿刺ドレナージを行います。この時に採取した胸水を細菌培養の検査に提出し、細菌の同定と抗生物質の感受性検査を行います。できるだけ早く、細菌を同定し、治療効果の高い抗生物質を選択する事が大切です。

従来、滅菌スピッツに入れた物を提出していたのですが、検査科長から、血液培養のボトルに入れて提出してくれれば、培養で出るかどうかが早く分かるので便利ですよと教えていただきました。

培養の機械。ボトルを挿入して、くるくる回すようです。
温度管理もしっかりしているようですね。

32番の奥に黄色の穴があいていますが、ここからビームを当てるようです。

培養ボトルのそこに、赤茶色の特別な物質がしかれています。細菌の放出する二酸化炭素に反応して、色が変わるとの事。色が変わった事を、培養機械の奥の穴から光を当てて調べる仕組みのようです。

培養陽性となったアラームが鳴るとの事でした。

ボトルのそこに赤茶色の敷物があります。
二酸化炭素に反応して色が変わるとの事。

呼吸器外科ですが、こういう大奥でプロの仕事をする方々にささえられて仕事をしている事を知ると、感動すると同時に、感謝いっぱいの気持ちでございます。

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