発表演題を見ていると、日本の呼吸器外科領域の関心ごとがよくわかります。ビデオセッションでは、拡大手術・リンパ節郭清などの演題が多いようです。
私の演題は、
「呼吸器外科術前の禁煙指導について」
と題して、京都山城総合医療センターの結果を提示しました。
一人でやっていると、いろいろなことをしなければなりません。
術前の禁煙指導もそうです。
4週間程度の禁煙期間を置かないと、痰が増えるなどの有害事象から、呼吸器関連の合併症が増加するというデータがあります。
当院では、禁煙を守れず、当日の朝まで喫煙したため、手術延期としたこともありました。そこで、患者さんが、楽に禁煙できるようにと考え、禁煙外来を広めてきました。
外来受診時に、喫煙者である患者には、喫煙が肺がんのリスクを上げること、周術期の合併症を増やすリスクが上がること、今後の治療においても、呼吸苦などの原因になり得ることを説明し、手術前からの禁煙するように指導しています。
簡単に、「わかりました・・・」というのですが、自宅で一人で禁煙するのは楽ではないはずです。そこで、禁煙外来で、お薬を使って楽に止めれますよと説明するのです、断られることが多いのが現状です。2週間後に再度外来へ来させるのですが、やめてます、ときっぱり言っているので、「手術を受ける」ということが、かなりの禁煙開始の動機になるということは確かなようです。
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