長期間人工呼吸器から離脱困難な症例、頻回な気道吸引が必要な症例に対して、気管切開という手技を行うことがあります。(緊急時には輪状甲状靭帯切開が早いです)
待機手術になりますので、手術室の予定を聞いて計画します。
私の方法は、局所麻酔、横切開、前頚筋群・舌骨下筋群を縦方向左右に分け、甲状腺に到達します。甲状腺の上を目指して剥離し、時に1/3位を切離し、気管に到達します。気管の前面を左右に剥離、第2気管軟骨の上縁を確認しこの軟骨を切離できるくらいの剥離を追加します。
皮下に3−0ナイロンをあらかじめかけておきます。第2気管軟骨の上縁で切開し、逆U字切開となるように左右で第2気管軟骨を切離します。あらかじめかけておいた3-0ナイロンで気管軟骨を反転して逢着します。切離部の止血を確認し、気管カニューレを挿入します。
今回、たまたまですが、3症例の気管切開を行いました。
山城病院の研修医は5人ですが、これまでに2人は気管切開に助手として入ってもらっています。今回は、残りの3人に入ってもらいました。
これで、研修医の5人は気管切開の経験をしてもらったことになります。外科の研修は必須でなくなったとはいえ、将来、外科医が不在となっては困ります。少しでも、外科の面白さを知ってもらえればと思います。
写真は、気管切開の後のチューブの先につける”人工鼻”です。酸素投与が不要であれば緑のアタッチメントは不要です。
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