2014/08/28

緊急気管切開・・・

気管切開という手技は、上気道の閉塞の時、緊急気道確保の手技として行われる事があります。

緊急以外でも、長期人工呼吸器管理による弊害を少しでも早い段階から、予防する、治療するための手段でもあります。

自分ののどを触ってみてください。
のど仏と言われる部分、頚部のかなり頭よりの所に甲状軟骨があります。甲状軟骨の下は輪状軟骨で、輪状軟骨よりも1、2軟骨尾側の軟骨の間から、いわゆるセルジンガー法でガイドワイヤーを利用して気管支カニューレを挿入する方法があります。

従来、気管切開では、丁寧な外科的手技で気管前面を露出させ、逆U字切開で気管前面に窓を開け、カニューレを挿入していました。

およそ30分くらいの所要時間が、穿刺法でおこなうと、10分もかからないで気道確保が可能になります。救急室、ICU、病棟でも、必要な時に迅速に気道確保を行う事が可能になるのであります。

初回の気管切開(穿刺)用のキットです。
鉗子は、滅菌できるので、再利用できます。

気管切開のモデルです。穿刺のあと、ガイドワーヤーを挿入しようとしています。




鉗子には、ガイドワーヤーが通る溝が掘ってあります。
ガイドワイヤーに沿わせて鉗子を通し、横に広げた所です。
確実に、皮膚と気管の中がつながります。


超緊急のときは、もう少し細いタイプもあります。
本当に穿刺するだけ(静脈留置針の太いタイプ)のイメージで、最低限の換気はできるタイプです。

救急時、自分にできる事、道具を揃えておく事、日々のシミュレーションが大切であります。

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2014/08/15

胸水の培養・・・

膿胸といって、胸の中で肺の外側のスペースに細菌感染を起こす病気があります。

太古の昔から、膿瘍の治療は、「切開排膿」が基本です。お尻のおでき(いわゆるアテローム、感染性粉瘤)などは、局所麻酔を行い、切開して内容物を外へ出す処置を行います。

胸の中の感染の場合は、胸腔穿刺ドレナージを行います。この時に採取した胸水を細菌培養の検査に提出し、細菌の同定と抗生物質の感受性検査を行います。できるだけ早く、細菌を同定し、治療効果の高い抗生物質を選択する事が大切です。

従来、滅菌スピッツに入れた物を提出していたのですが、検査科長から、血液培養のボトルに入れて提出してくれれば、培養で出るかどうかが早く分かるので便利ですよと教えていただきました。

培養の機械。ボトルを挿入して、くるくる回すようです。
温度管理もしっかりしているようですね。

32番の奥に黄色の穴があいていますが、ここからビームを当てるようです。

培養ボトルのそこに、赤茶色の特別な物質がしかれています。細菌の放出する二酸化炭素に反応して、色が変わるとの事。色が変わった事を、培養機械の奥の穴から光を当てて調べる仕組みのようです。

培養陽性となったアラームが鳴るとの事でした。

ボトルのそこに赤茶色の敷物があります。
二酸化炭素に反応して色が変わるとの事。

呼吸器外科ですが、こういう大奥でプロの仕事をする方々にささえられて仕事をしている事を知ると、感動すると同時に、感謝いっぱいの気持ちでございます。

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