気管切開という手技は、上気道の閉塞の時、緊急気道確保の手技として行われる事があります。
緊急以外でも、長期人工呼吸器管理による弊害を少しでも早い段階から、予防する、治療するための手段でもあります。
自分ののどを触ってみてください。
のど仏と言われる部分、頚部のかなり頭よりの所に甲状軟骨があります。甲状軟骨の下は輪状軟骨で、輪状軟骨よりも1、2軟骨尾側の軟骨の間から、いわゆるセルジンガー法でガイドワイヤーを利用して気管支カニューレを挿入する方法があります。
従来、気管切開では、丁寧な外科的手技で気管前面を露出させ、逆U字切開で気管前面に窓を開け、カニューレを挿入していました。
およそ30分くらいの所要時間が、穿刺法でおこなうと、10分もかからないで気道確保が可能になります。救急室、ICU、病棟でも、必要な時に迅速に気道確保を行う事が可能になるのであります。
初回の気管切開(穿刺)用のキットです。 鉗子は、滅菌できるので、再利用できます。 |
気管切開のモデルです。穿刺のあと、ガイドワーヤーを挿入しようとしています。 |
鉗子には、ガイドワーヤーが通る溝が掘ってあります。 ガイドワイヤーに沿わせて鉗子を通し、横に広げた所です。 確実に、皮膚と気管の中がつながります。 |
超緊急のときは、もう少し細いタイプもあります。
本当に穿刺するだけ(静脈留置針の太いタイプ)のイメージで、最低限の換気はできるタイプです。
救急時、自分にできる事、道具を揃えておく事、日々のシミュレーションが大切であります。