2017/10/27

輸血療法について・・・

日本赤十字社から、輸血療法、血液製剤の使用指針が届きました。日付は、半年以上前のものですが、医師に周知させる目的かと思います。
輸血は、医療行為の中でも、もっとも注意を要する治療となるので、患者の安全に十分に、十分に、配慮して行いなさいというものです。
これを機会に、今一度、確認作業を行います。


胸腔鏡下手術では、輸血なしで行うことがほとんどでありますが、高度癒着症例や、想定外の大量出血などで輸血を余儀なくされることもあります。
人工血液、人口酸素運搬体の研究も進んでいるのでしょうが、献血以外の方法で提供することはできないのが現状です。



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2017/10/11

第70回日本胸部外科学会・・・

第70回日本胸部外科学会定期学術集会に参加してきました。
25年ぶりの札幌であります。

クラーク博士の像。地下鉄とバスを乗り継いていってきました。
北海道、ひろい、でっかいどー
胸部外科学会は、心臓外科(成人、小児先天性心疾患)、血管外科(胸部大動脈疾患)、呼吸器外科、食道外科の学会です。専門分野はそれぞれ違いますが、胸部の中の臓器を扱う専門科の集まる会であります。

今回、私が専門とする呼吸器外科領域の中で、最も聞きたかったのは、低侵襲手術の現状です。

当院でも、Uniportal VATSと称して、1箇所の傷で肺切除を行い始めていますが、1箇所の傷で行うものの、傷の長さは4〜5 cmあります。
一方で、複数箇所の傷でも、一つの傷の長さを小さくする行う施設もあり、たとえば、4箇所でも、それぞれの傷を5mm+5mm+12mm+30mmと合計すると5cm程度になります。細い内視鏡用の器具、カメラを使用することで、傷の長さは小さくなる方向へと進化しているわけです。
そして、ロボット手術でありますが、これは傷の数、長さはロボットのアームに規定されるので、一朝一夕に小さくはならず、費用も高価でありますので、一般病院で購入することはありえないです。

傷の長さが小さい方が患者にとっては侵襲が少ないとは言えますが、傷の長さだけでは規定できないのが手術侵襲です。手術時間や、出血量、術後の合併症なども含めて、合計して総合点で判断するべきでありますが、明らかな指標がないのが現状です。

私の考えとしては、1箇所の傷で肺切除を行うことが低侵襲になろうかと考えています。そのためには、肺の血管を安全に剥離、切離することが重要であります。
学会でいろいろな発表を聞いていると、すこしずつ、時代が進んでいくことを実感しています。遅れないよう、ついていくとともに、地域の肺がん患者さんの手術に還元できるよう、日々、努力を続けていきます。

Dr. Gonzalez Rivasのスライドに、The most dangerous phrase in the language is "we've always done it this way."
というものがありました。「いつもこうやっている」では、進化がありません。少しずつ、工夫をして、もっともっとよい手術をできるように精進します。



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学会出張中、代わりをしていただいた外科の先生、ありがとうございました。