25年ぶりの札幌であります。
クラーク博士の像。地下鉄とバスを乗り継いていってきました。 北海道、ひろい、でっかいどー |
今回、私が専門とする呼吸器外科領域の中で、最も聞きたかったのは、低侵襲手術の現状です。
当院でも、Uniportal VATSと称して、1箇所の傷で肺切除を行い始めていますが、1箇所の傷で行うものの、傷の長さは4〜5 cmあります。
一方で、複数箇所の傷でも、一つの傷の長さを小さくする行う施設もあり、たとえば、4箇所でも、それぞれの傷を5mm+5mm+12mm+30mmと合計すると5cm程度になります。細い内視鏡用の器具、カメラを使用することで、傷の長さは小さくなる方向へと進化しているわけです。
そして、ロボット手術でありますが、これは傷の数、長さはロボットのアームに規定されるので、一朝一夕に小さくはならず、費用も高価でありますので、一般病院で購入することはありえないです。
傷の長さが小さい方が患者にとっては侵襲が少ないとは言えますが、傷の長さだけでは規定できないのが手術侵襲です。手術時間や、出血量、術後の合併症なども含めて、合計して総合点で判断するべきでありますが、明らかな指標がないのが現状です。
私の考えとしては、1箇所の傷で肺切除を行うことが低侵襲になろうかと考えています。そのためには、肺の血管を安全に剥離、切離することが重要であります。
学会でいろいろな発表を聞いていると、すこしずつ、時代が進んでいくことを実感しています。遅れないよう、ついていくとともに、地域の肺がん患者さんの手術に還元できるよう、日々、努力を続けていきます。
Dr. Gonzalez Rivasのスライドに、The most dangerous phrase in the language is "we've always done it this way."
というものがありました。「いつもこうやっている」では、進化がありません。少しずつ、工夫をして、もっともっとよい手術をできるように精進します。
学会出張中、代わりをしていただいた外科の先生、ありがとうございました。
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